コラム「”通り過ぎて行く”インターンスタッフたち」

時々、インターンスタッフにこんな質問をされることがあります。
「呉さんや五井渕さんはずっとCRファクトリーにいて、
 私たちは卒業してしまえばインターン期間は終わりですよね。
 二人ともこんなにコミュニティが大好きなのに、
 寂しかったり辛かったりしないんですか?」

つい先日もその問いを投げかけられたところなので、
今回のコラムは”通り過ぎて行く”インターンスタッフのことをテーマにしてみます。

少し自分の話をすれば、
私は一時期、学校の教師になることを考えていました。
大学一年生には教職課程の単位も取っていましたし、
かなり身を入れて塾講師のアルバイトをしていました。
結果的に教師の道を選ばなかったのは、
まさにこの”通り過ぎて行く”ことへの不安が理由のひとつです。
ひとりひとりに真剣に距離近く向き合って、
感情を揺さぶられたり送り出したりしていくことを
約40年間心をすり減らさずに続けるという自信が持てませんでした。

・・・と思ったのに、いま同じことをやっているわけですね(笑)。
しかし、冒頭の問いに先に答えると、寂しくも辛くもありません。

私はCRファクトリーというコミュニティを”家”のようなものだと思っています。
代表の呉や事業局長の私をはじめとした”家長”がいて、
毎年家には長期のホームステイが来るんですね。9ヶ月とか、人によっては2年ほども。
それぞれの部屋で暮らしながら、家の仕事を一緒に真剣にやることで、
少しずつお互いに仲間になり、”家族”になっていく。
そしてホームステイの期間が終わると、みんな独立して新たな社会に旅立っていく。

残り続ける”家長”としては、いつでも帰って来ていいよ、と思っています。
時々しんどくなることもあるだろうし、楽しく笑い合える場所が必要なこともあるだろう。
ただそこにいるだけで居場所を感じる、あたたかさに触れたくなる時もあるよね。
リビングで一緒にお酒を飲んだり、たまにどこかに遊びに出かけよう。
もし家の仕事をまた手伝いたくなったら、もちろん一緒にやろう。
何かあったら、何もなくても、いつでも顔を出すのだよ。
ここはあなたの”家”で、私たちが一度”家族”になったことはこれからも変わらないのだから。

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そんなふうに考えているので、寂しくも辛くもありません。
ただ願わくば、それぞれに自分の”家”をつくっていってほしいとは思っています。
それが新しいコミュニティをつくるということで、
周りの人々、仲間や家族、自分自身の幸せを増やしていくことにつながっていくのでしょう。

   (事業局長 五井渕 利明)

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