コラム「スタッフの”叱り方”」

みなさんは、スタッフを叱る時、苦言を呈する時、気をつけていることはありますか?
規模が小さい組織が多い、そもそも単純な上司・部下という関係性ではない場合も多いNPOでも、時には厳しく言わなければならないこともありますよね。
私も先日、久しぶりにインターンスタッフにカミナリを落としました。もちろんあまり愉快な気分ではありませんが、そこからしっかりと修正点や改善点が跳ね返ってくると、かなりほっとするものです。
こういう場面での伝え方には、個人的に非常に神経を使っています。改めて、スタッフの”叱り方”について考えてみました。

そもそも、なぜ叱るのか?
■スタッフに成長してほしい
■アウトプットの質を高めたい
これが両方ある時にだけ、必要に応じて叱るようにしています。
成長を支援したい相手でなければ、叱るという行動はあまり意味がないと考えています。この観点がなければ、叱る側にとっては単なる感情の発露になりかねませんし、叱られる側にとってはストレスを感じるだけになってしまいます。叱る時こそ愛を込めて、ですね。
また、やるべきアウトプットが具体的で組織にとってもそれが重要という場面でないと、叱られてもピンと来ない、モヤモヤしてしまう、ということになりがちです。達成するべき目標や水準が明確である時こそ、ともに成長しながら成果を出すための切磋琢磨が可能になります。

先日私がカミナリを落としたのは、新たに採用したインターンスタッフが初めてミーティングを見学に来た時のことでした。
緊張も不安もある相手に対して、先輩スタッフたちの準備不足・過剰な内輪感・雑な姿勢が見られたからです。
個人ではなくチームとして成長してほしかったので全員に対して、新たな人財を迎え入れて仲間になっていくプロセスの質を高めてもらうために、厳しく叱りました。

叱り方の手法に少し触れますが、先日の場面ではマイナス面への”指摘”を行うというやり方をしました。ミスや不足に対してある程度自覚的な場合に、客観的に追及して求められる質を提示するようにしています。
現状の危うさや見落としに対して本人が無自覚な場合は、”質問”を浴びせかけるようにしています。「この事業の目的・ゴールってなんだっけ?」「どうすればもっと周りを巻き込めるかな?」など、視点を一段階高く持てるようになることをうながします。
最近になって有効だと気づいたのが、本人だけではなく”メンター・先輩”を一緒に叱るというやり方です。「自分のせいでメンター・先輩が・・・!」と、責任感が強いスタッフには特に効果的で、一気にコミットメントが高まってきます。

逆に「これはしないように」と気をつけているのは、”密室”で叱ってしまうというやり方です。逃げ道がないのでストレスが強すぎて、成長以前に立ち直れなくなってしまうという危険性を孕んでしまうからです。
どうしてもそうなってしまう場合には、必ず直後に他のスタッフに共有し、裏からフォローを入れてもらうようにうながしています。

給与や強制力でつながっていないことが多い非営利組織での関わりだからこそ、スタッフとの向き合い方、とりわけストレスを伴う”叱る”ということは、とてもデリケートです。前提として信頼関係が築かれていることがとても重要になります。

みなさんは、”叱り方”にどんなノウハウや考え方を持っているでしょうか?
ぜひ一度、語り合ってみたいと思うテーマですね。

(事業部長 五井渕 利明)

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