コラム「ダイバーシティ・マネジメント」

ボランタリー(自主的・無給)な関係性の中でコミュニティやプロジェクトを運営していると、常に向き合うことになるのが、人材の多様性(ダイバーシティ)です。
ボランタリーという関わり方は言い換えれば「好きでやっている」ということでもあります。その関わりには、人によって本当に様々な角度での違い・差があります。
動機の違い、求めるものの違い、スキル・レベルの差、温度差、割ける時間の差、などなど。
動機だけを切り取っても、リーダーやスタッフの人柄に惹かれて関わる人、自分自身の経験や成長のために関わる人、様々な人々との出会い・交流のために関わる人、活動・団体の理念や方向性に共感して動く人、などなど。
金銭的報酬・契約によって仕事として設計して違いや差を揃える、ということができないのがボランタリーな組織の特徴でもあります。

$NPO法人CRファクトリー

セミナーなどでこういう話をすると「難しい・・・」という感想とため息が聞かれることも多いのですが、ボランタリーな組織における多様性とは「難しさ」としてではなく「特徴・前提」として向き合うべきことだと考えています。
多様である、多様で良い、多様が楽しい、という前提で人と組織に向き合うと、そこから生まれ得る可能性の豊かさに気づかされます。

ダイバーシティ・マネジメントとは、どこでも通用する一般解が存在することではありません。
しかし、人の多様性を組織の強みに変える、可能性を引き出す糸口は、自分なりにも少しずつ見い出しつつあります。

それは最大公約数を導き出す、多様性を平均化するという方向性ではなく、どうすればもっと多様な個性・才能が発揮されるか、どうすればそれらが響き合った組織から成果が生まれるか、そうした観点を常に大切にすることだと感じています。

そしてもっとシンプルに言えば、せっかく多様な人と関わるからには、全員がいきいきと輝いている方が「楽しい」。楽しい方がマネジメントにも熱がこもるし、楽しい方が人が惹きつけられるし、楽しい方が続く。
そんなことが実感としてあるのです。

さて、このコラムを書いている翌日は弊社主催の「コミュニティリーダーズカフェ」。人と組織のマネジメントについてダイアログ形式で学び合うイベントです。
ゲストとして日本ブラインドサッカー協会事務局長の松崎英吾さんをお招きして、『多様な人材が熱く燃えるチームをつくる ~ブラサカ流!ダイバーシティ・マネジメント術~』というテーマでお送りします。
ノウハウ・経験ということはもちろん、松崎さんの多様性との向き合い方・姿勢に触れられるということが今からとても楽しみです。

(コンサルタント 五井渕 利明)

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