【開催レポート(プレゼン資料あり)】「これからどうする?市民活動」 〜コロナ時代の市民活動の困難と展望〜

10月17日に「「これからどうする?市民活動」 〜コロナ時代の市民活動の困難と展望〜」というオンライン対談イベントを実施しました。

2020年度の上半期が終わり、ここから下半期を迎えるにあたって、改めてこの半年間を振り返って状況やポイントを整理し、さらには、ここからのWithコロナ時代の市民活動をどうしていけば良いのか、その見立てや展望を考える機会を作りたいと思い、実施いたしました。

今回は岡山NPOセンター代表の石原達也氏と、まつどNPO協議会理事の阿部剛氏、そしてCRファクトリー代表の呉哲煥の3名が集結。

NPOや市民活動の領域で10年以上に渡って先駆的に活動してきた3名が、それぞれの現場感や感性からこれからの市民活動を語りました。


プレゼン資料

岡山NPOセンター代表 石原達也氏


まつどNPO協議会 理事 阿部剛氏


CRファクトリー代表 呉哲煥


まとめ

[コロナによって起きている難しさ・課題]

  • コロナはいろいろなものを見えなくさせている。訪問や場を通して見えていた困りごと・課題が見えづらくなった。困難な状況を把握できなくなる。
  • コロナは様々なことを連鎖的に起こしている。産業や観光が縮小することで、福祉作業所の仕事がなくなるなど、間接的な連鎖も起きている。
  • 4月5月はDV相談件数が減った。これはDVが減ったわけではなく、在宅で四六時中一緒にいることで、通報・相談ができない。相談を自粛している。より深刻になっている。
  • 「困っていることがあれば、言ってくれれば、支援します」というスタンスだけでは解決できない。声なき声を拾う、困ったを言いやすい環境・状態をつくる、待つだけなくアウトリーチする。
  • 個人同士・家庭同士などがつながりにくくなった。家族だけ、仲良い人たちだけの塊になってしまう。その塊を超えた助け合いや交流の「互助」「共助」をつくりにくい。

[コロナの良い面]

  • 高齢者の通いの場やサロンの重要性がわかった。普段やっているゲートボールのような運動やゲーム(将棋・囲碁など)やおしゃべりなどの集まりの場がいかに重要かを社会が知る機会にもなった。
  • 高齢者を中心としてボランタリーにやってしていた草刈りや防災や地域行事などがなくなったことことで、それらの価値や効果が逆に浮き彫りになった。
  • 外出・リアルを前提として場やサービスだと参加しづらい人に機会がもたらされやすくなった。病気・障がい・外出不得意などのある人にとっては良い環境にもなった。

[これから]

  • 市民活動だけでなく、大企業や中小企業や商店街や社会福祉法人や町内会や行政や学校など、さまざまな主体をつないで連携・協働することが大切=持続可能で「自然治癒力の高いまち」
  • コロナは「つながりの格差」(つながり豊かな人とつながりが作りにくい人)を生み出しやすくなるかもしれない。孤立・孤独を生み出す構造への着手をしていきたい。
  • 志を持ってあたたかい場をつくれるリーダーが必要(いろいろな人や状況を含めていけるあたたかさ)。
  • 誰一人取り残されない支援を目指す

参加者の声

  • 「コロナを「共通言語」にすることの可能性のお話に、活動を前進させられそうな 前向きな気持ちになりました。ますますNPOも外に出て行き多様な主体と連携しつつ、自分の心の声に従い動くことを大切に、という明るい見通しが聞けて大変参考になりました。」
  • 「今回のコロナで、「中止」「延期」「様子見」を余儀なくされ、このままどうやって前に進めばいいんだろうと思っていたけど、その時期を経たからこそ、本当に大事なもの(その価値)に気づけたり、みんなが当事者意識を持ったことで、気持ちの共有や、一つのことに向かっていきやすくなったといいことも実はあって、これはピンチでなく市民活動に取ってはチャンスと捉えてもいいのかなと、終わったあと、とても前向きな気持ちになれました。」

今後のイベント案内


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