コラム「NPOのナンバーツーあるある」

最近、NPOのナンバーツー、リーダーの右腕のような人と対話する機会が増えてきました。

かく言う私自身がCRファクトリーではそのポジションですが、

他の団体の方と話をしていると、なんとなく、

「NPOのナンバーツーあるある」のようなものが見えてきます。

たとえば、

◆感覚クリエイト派・ビジョン追求型のリーダーとタッグを組んでいるうちに、

自然と実務屋・バランス型としての立ち位置になる。

◆リーダーや団体の弱みをカバーするうちに、

徐々に「何でも屋」っぽくなってくる。

◆リーダーや団体が繁忙期になったり追い込まれたりすると

何故か燃えてきてパフォーマンスが上がる。

◆小言や愚痴を言うこともあるけれど、実は状況を楽しんでいる。

◆リーダーの口癖やジェスチャーがいつの間にかうつる。

こんな感じでしょうか。

是非皆さんの「あるある」も教えてください。

なんだか集めて並べたくなってきました。

ところで、自分で言うのもなんですが、

NPOのナンバーツーって、なかなか難しいポジションでもあります。

NPOのリーダーの多くは、想いが強くビジョナリーで、

人を惹きつける力があり、理念追求に妥協がありません。

関わりの経緯にもよりますが、特に後から活動に参画したナンバーツーは、

いろいろと葛藤を抱くものでもあります。

――団体内での自分の役割、貢献は何か。

――リーダーはともかく、自分の働きは代替可能なんじゃないか。

――本当にこれが自分自身のやりたいことなのか。借り物ではないのか。

なんて、私だけですかね?(笑)

とは言え、そんな葛藤を抱きながらもしつこく動き続けていると、

ある時に壁を越える瞬間が訪れるものです。

もしくは、いつの間にか越えていたことに、ある時に気づきます。

――ここはすでに自分自身が求める「居場所」だと感じている。

――団体のスタッフが「家族」のように思える。

――すでにビジョンの「共感」ではなく、「共有」して同じ方向を見ている。

――よほどのことがあっても「やり抜く」覚悟ができた。

こうなるともう、容易なことでは離れられませんね。

多少の困難があってもそれを乗り越えることが楽しく、

関わるひとつひとつに変化を起こすことにワクワクします。

自分自身だけではなく、リーダーや他の仲間たち、

関わってきた多くの人たちの想いを背負いながら前に進んでいくことが心地良く、

それこそがナンバーツーの矜持であるとすら感じられてしまうのです。

もしあなたの周囲に

「本当にもう、しょうがないんですよね~、ウチは」

なんて口角を上げながら団体やリーダーのことを話すナンバーツーがいたら、

そんなことを言いながら、たぶん実は楽しくて仕方ないのだと思います。

適度にあしらいながら、仲良くしてあげてください(笑)。

(コンサルタント 五井渕 利明)

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