コラム「事業性と居場所感を両立する「関わり方のグラデーション」」

こんにちは、代表の呉です。

NPO・市民活動の「人と組織のマネジメント」においての究極のテーマは、
■「団体」と「個人」のWINWIN
■「事業成果」と「メンバーの成長・幸福」のWINWIN
でしょう。
NPOは市民や社会を巻き込み、その力を借りながら事業・活動を推進すると同時に、
その関わった人の成長・変化・幸福に寄与する役割があります。
「非営利組織は人を変えるためのチェンジエージェントである」(byドラッカー)
なのです。

しかし現実はなかなかうまくいっていないことが多く、WINWINではなく
トレードオフ(Win-LoseやLose-Win)になっていることが多いですね。

関わる一人一人にとって関わり甲斐があり、居場所を感じられる組織になりながら、
事業・活動としてもちゃんと成果を出すということは究極のテーマであり、
私たちはまさにそこに正面から取り組んでいます。

それについて最近強く思うことがあります。
それは、事業性と居場所感を両立する「関わり方のグラデーション」が
重要なのではないか、ということです。
「関わり方のグラデーション」というのは、「かなり熱く人生かけて関わる人」
「今の人生の半分ぐらいの気持ちを投じて関わる人」「自分の状況などに応じて
ゆるふわで関わりたい人」などの関わり方の種類を多様に認める組織的仕組みです。

比喩的には、色に例えて「赤・オレンジ・黄・緑・青」(赤が一番熱い!)と
色のグラデーションになぞらえてみたり、
サッカーに例えて「フィールド・ベンチ・観客席」と言っていたりしています。

「白か黒」しか関わり方がなかったり、「ワールドカップ目指すかサッカー辞めるか」
しか関わり方がなければ、多くの人を巻き込むことは難しくなりますし、何よりすべての
選手に「ワールドカップ目指す」ことを強いることで、お互いつらくなるということが
いろいろなところで起きているように思います。
(逆にゆるふわ選手に寄り添いすぎて、本来の目的やミッションに向かえていない
団体もよく見受けられます)

「団体のメンバー・スタッフ」を十把一絡げに捉えるのではなく、
「赤・オレンジ・黄・緑・青」のように数段階のグラデーションで捉えることで、
それぞれに最適な関わり方と期待を実現できるようになるでしょう。

CRファクトリーの関わり方のグラデーションのフレームを
参考までに記載しておきます。
人数などは団体の規模に応じてカスタマイズしてください。

①代表・幹部(理想人数:3~4人)
[団体の屋台骨を支える絶対的な存在]
■ビジョン・ミッションへの共感は高く、自分軸と団体軸が一致している
■この3~4人がいれば団体はまわる

②コアスタッフ(理想人数:6~7人)
[業務を遂行し団体の運営を支える存在]
■この層の教育・コミットメント向上は組織力や推進力を左右することになる
■ある程度「流動性」があることも前提としましょう

③サポートスタッフ(理想人数:20~40人)
[何かのときにサポートしてくれる存在]
■ゆるやかな関わりだが、いざというとき頼りになる
■この層がいることで、にぎやかさやコミュニティ感も出る

④メンバー(100~1000人)
ファンに近い存在。ある程度お客さんで良い。ゆるい関わりで応援してくれる。

ぜひ一度、組織内の「関わり方のグラデーション」について考えてみてください。
それぞれの「色」に対して求める「活動時間」や「コミットメント」や
「出席必須のミーティング・イベント」などの「期待」を書き出してみましょう。^^

(代表 呉哲煥)

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