【開催レポート】PTAのコミュニティキャピタル研究(越谷市PTA連合会)

2019年度は、越谷市PTA連合会との協働で、PTAのコミュニティキャピタル研究に取り組みました。
CRファクトリーとは以前から親交が深い間藤大輔さんを中心に、「やらされ」「義務感」ではなく「楽しい居場所」「子どもや学校・地域にとって価値ある活動」としてのPTAを広く発信したいという意欲で始まりました。
まずは、越谷市内のPTA役員の方々向けに「非営利組織のマネジメントから学ぶ PTAのコミュニティ・マネジメント」と題したセミナーを実施しました。
約200人が集まって「PTAあるある」「より良い運営のためのアイディア」があふれ、熱気で包まれました。

セミナーは「コミュニティキャピタル診断」の説明会も兼ねていて、その後、全45小中学校を対象としたアンケートの実施につながりました。
コミュニティキャピタル診断とは、「コミュニティ・組織の状態を測定する診断ツール」です。
詳細はこちら:https://crfactory.com/service/community-capital/

コミュニティキャピタル研究会の川西諭教授(上智大学経済学部)による分析・研究を通して見えてきたことは、これからのPTA運営に向けて非常に興味深いものでした。

(1)「PTAは目的意識を持って参加することが大事!」
目的意識を高める余地は十分にあり、かつそれを高めることで、愛着が高まることが期待できる。(2)「PTA活動の目的意識は自分志向で良い!」
自分のためになる、自分の子どものためになる、自分の地域のためになると思って参加している人の方が貢献意欲も高くなり、自己有用感、居心地、愛着も高くなる。(3)「PTA活動は経験者と男性がカギを握る!?」
PTA経験者と男性が多いPTAほど状態がいい傾向がある。一方で、経験者は不本意ながら参加し不満を持っている可能性、男性は居心地の悪い思いをしている可能性がうかがわれる。

上智大学で開催した研究成果報告会には、PTA関係者や行政職員など、約50名に参加いただきました。

その後、コロナ禍でPTAの活動も混乱する中、2回目(年度後半)の診断もご一緒いただき、越谷市PTA役員の方々向けのオンライン(Zoom)報告会を実施しました。
報告会の後半には、「どうする?どうなる?PTA活動」と題した意見交換も行い、この状況下だからこそできること・やりたいことについて活発な対話が行われました。

今後も、子ども・学校・地域・保護者自身にとって「良いコミュニティ」としてのPTAのあり方・運営方法を模索する取り組みを続けていきます。

越谷市PTA連合会 間藤大輔さんより

私がPTAに関わるようになったのは消極的な理由ですが、実際に関わってみると、PTAは子どもたちだけでなく学校・保護者・地域にとって多くの可能性を秘めていると感じました。そんな思いを越谷市PTA連合会で伝えたことがきっかけで、コミュニティ・マネジメントのセミナーが開催されたり、コミュニティキャピタル診断の導入に繋がりました。PTAをコミュニティという視点で捉えることで、各校で抱えている問題をコミュニティの問題として共有しただけでなく、解決策についても検討することができました。診断結果を踏まえた対話はとても興味深い内容でしたので、越谷市以外のPTAの方々とも対話できる機会が作れたらいいなぁと思っています。

上智大学経済学部 川西諭教授による調査報告資料

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