CRファクトリー代表の呉哲煥です。
2019年3月16日(土)に「コミュニティフォーラム2019 〜みんなでコミュニティの話をしよう〜 」がHYPERMIX門前仲町で開催されます。
コミュニティフォーラム2019に向けて、このイベントやコミュニティに対する私の想いを書いてみました。
(注意!)このイベント「コミュニティフォーラム2019」は満員御礼となっています。
いったん申し込みを停止させていただいております。キャンセル待ちをご希望の方はご一報ください。
個人化していく現代
これまでの日本の社会は、経済的な豊かさや物質的な豊かさが実現されて、なんだかんだ言いながら、大きくは安定した良い社会をつくってきたのではないかと感じています。
一方で、職住分離などによって地域が他人事となりました。
消費者意識の高まりによって行政任せ・自治意識が弱まり、何事も購入・消費することで、問題解決を自分たちの力ではなく、外から調達するようになってきたと思います。
また、職業の自由や移動の自由によって、個人はどんどん自由で選択的になり、さらにはサイバー空間という新たな世界の広がりも含めて、個人はますます自由に多様化していきました。
構造的な力学としては、個人化していく力が大きく作用して現代に至っていると感じています。
変わるコミュニティの構造
個人が自由で選択的になること自体は私は歓迎の立場です。
息苦しいつながりとコミュニティに居るくらいなら、解放されて孤立・ぼっちの方がせいせいするのではないかと思っています(言い過ぎか)。
しかし、息苦しいつながり・コミュニティからの解放&個人の自由の確保と引き換えに、「頼りになるつながり・コミュニティ」が減っていったことも現代社会の大きな特徴です。
もう少し厳密に言うと、そういうつながりやコミュニティが「与えられる」のではなく、「自分の力で・当事者間で用意しなくてはならない」構造になっていったことに大きな特徴があります。
「頼れない・支えられない」社会
その構造の中で受け身でいると、自然と人々の連帯・紐帯は弱まっていき、孤立・格差・分断に向かっていきます。
それは、この平成の30年間で吹き出してきたさまざまな社会課題である「自殺」「うつ」「児童虐待」「孤独死」「貧困」などを生み出す原動力となってきました。
加えて、これらの社会課題が生み出されたときにどうすることもできない(頼れない・支えられない、だって、つながってないんだもん)という構造に居るということでもあります。
私のコミュニティ体験
私は高校生の時、生きていくことにあまり肯定的ではありませんでした。
この世に生きていく意味が見い出せずに人生の一番大事なところでつまづいていた、根っこがない自分でした。
そんな私が、あるコミュニティ体験で変わることになります。静岡大学時代のボランティアサークルです。
そこの場所は、あたたかくて、楽しくて、みんなが自分のことをすごく認めてくれて、受け容れてくれた場所でした。
「これからも生きていきたい」と思えるほどの体験がそこにはありました。
自分のことを気にかけてくれる人たち・仲間がいる。
一緒に、人生の想い出になるような体験を共有していく(活動、イベント、旅行、など)。
つらいとき、しんどいとき、人生に何かが起こったとき、相談に乗れて話を聞いてくれて支えてくれる。
そんなつながり・仲間は、良い人生の基盤になるし、それだけで私にとっては生きている意味・生きていく意味になるくらいの価値です。
活動があって、コミュニティがあって、そこは自分の居場所で。
居場所感は、みんなと居るときに感じられるだけでなく、日々の生活や一人で居るときにもふとイメージできることが、自分の人生を心強く支えてくれてますし、精神的な基盤になります。
そんなコミュニティの効果を深く味わった私は、CRファクトリーを14年前にはじめました。
CRファクトリーがめざすもの
「すべての人が、自分の最適なコミュニティとつながり・仲間を持って、生き心地良く豊かに生きる」。最近少し言葉になってきた想いです。
気の合う仲間・同僚・家族がいて、一緒に人生を楽しめたり、つらいとき・きついとき・しんどいときに、そのことを共有できて支え合えたら、それはとても心強いことだし、ありがたいことだし、明るくなれて楽しいこと。
自分のことを認めてくれていて、受け容れてくれていて、自分らしく居られる居場所・コミュニティがあったら、それが生きていく上での根っこになるし、生きていくためのエネルギーになるし、これからも生きていく理由にすらなる。
コミュニティやつながりは、バランスを崩すと、窮屈な状態にもなるから、「最適な」という絶妙な言葉が重要になる。
「この世にちゃんと居場所がある」「自分のことを気にかけてくれる・愛してくれる人がいる」
良質なコミュニティを増やしていくことが、これからの日本社会の大事なテーマと解決策だと思っています。
そんな状態・世界を1つでも増やしたい、居場所と仲間を感じるあたたかいコミュニティを世の中にあふれさせたいという想いで活動をしているんだなぁと思います。
コミュニティフォーラム2019
CRファクトリーは「コミュニティフォーラム2019」というイベントを企画しました。改めてコミュニティについて考え、語り合うイベントです。
コンセプトは「みんなでコミュニティの話をしよう」
- あなたにとってコミュニティとは?
- これからの時代のコミュニティとは?
これらの問いに、先に正解を用意しないで(あまり先入観で当たりもつけないで)、ゲストスピーカー10名のみなさんと参加者のみなさんに「あなたにとってコミュニティとは?」「これからの時代のコミュニティとは?」というテーマで考え語ってもらいたいと思っています。
- 団体・活動にとってコミュニティはなぜ必要なのか?どう有用なのか?
- 自分にとって幸福なコミュニティのかたちはどういうものなのか?
- 社会や地域や住民にとってどういうコミュニティがあるといいのか?
- コミュニティって何なのか?そもそも必要なのか?
- これからの時代のコミュニティはどういうものが増えていくと良いのか?
そんな問いをみんなで一緒に考えていければと思っています。
豪華なゲストスピーカー
今回は本当にゲストが豪華な顔ぶれ。一人のゲストの話だけでも足を運んでいただける価値があるのではないかと思っています。
ゲストのみなさんは、まさに自分たちの足元から活動やコミュニティをつくってきた方々ばかりで、それは未来を生きるためのヒントが満載です。
これからの日本社会を考えるとき、「つながり」と「コミュニティ」をどう再編するかは欠かせない重要テーマだと思います。
10名のゲストスピーカーは「コミュニティ」を中心に置きながら、事業・活動をつくったり、研究をしてこられた選りすぐり方々。
「最前線」で、「長年」やってきたスピーカーのみなさんの眼から見える「コミュニティ」や「時代」や「未来」。
そんな話を素材・刺激・インスピレーションにしながら、会場のみなさん(ゲスト・スタッフも含め)の考え方や生き方が深まっていけるといいなと思っています。
10名のゲストスピーカーの詳しいプロフィールはこちらのページにありますので、ぜひご覧になってみてください。
まとめ
「コミュニティフォーラム2019 〜みんなでコミュニティの話をしよう〜 」では、これからの時代のコミュニティの価値と可能性について、みなさんで一緒に考える場を共有できればと思っています。
最後に、過去のフォーラムに参加した方はなんとなくわかると思いますが、コミュニティフォーラムは元気の出るフォーラムです!
「みんなもがんばってるなぁ〜。よ〜し、私もがんばるぞ〜」
「自分がやっていることには価値があるんだ。よ〜し、自分と仲間を信じてますますやるぞ〜」
という気持ちに、みんなでなれたらなと思います。
※この記事でお知らせしたイベント「コミュニティフォーラム2019」は満員御礼となっています。
いったん申し込みを停止させていただいております。キャンセル待ちをご希望の方はご一報ください。
(記事編集:ひろせめぐみ)