町会や自治会をはじめとした地域コミュニティの活動と運営を担う人たちの学びの場をつくり、中央区の地域を盛り上げるキーパーソンを養成する、全6回の連続講座。「地域コミュニティの担い手養成塾」は、中央区地域振興課とNPO法人CRファクトリーとの“協働事業”として2015年度からスタートしました。
お祭りなど伝統行事、文化や長い歴史で培われたつながりを受け継ぐ底力を持ちながら、大規模マンションが次々に建築され新たな住民が増え続けるという二面性を持つ中央区も、全国の多くの地域と同じく、地域コミュニティの担い手の減少化・高齢化という現状にあります。そうした課題に向き合い、まずは主体的に楽しみながら地域を盛り上げる「人」を育てることを始めようという思いで、養成塾は企画されました。
全6回の連続講座で、2015年度の第1期/2016年度の第2期、それぞれ約20名の受講生がコミュニティのありたい姿を描き、様々なノウハウを学びながら実際の活動をその場で企画設計しました。20代から70代まで、町会の役員、マンション管理組合の理事、地域で活動するNPOのスタッフ、これから活動を始めてみたいと考えている人など、多彩な参加者が交流し協力しながら講座は進んでいきます。
養成塾の企画運営では、気をつけたポイントとしては3つあります。
①知識やノウハウの「インプット」だけではなく、それぞれの企画づくりやグループワークを通した「アウトプット」を多く取り入れて、実践につなげる。
②地域を想う担い手同士として、受講生間の横のつながりを醸成する(有志での懇親会が何度もありました)。
③養成塾をやっただけ・参加しただけで終わらない継続性を持つための、相互の助け合いや交流の担い手ネットワークを立ち上げる。
養成塾の受講生、地域コミュニティの担い手たちの成果として、様々なことが実現し始めています。それぞれの町会や自治会での力強い活動、受講生同士での盆踊りグループの立ち上げ、町会・自治会・NPOの垣根を超えたコラボレーション、などなど。
そして、その活動の継続を支える担い手ネットワークの存在は大きいと感じています。続けていく中では、難しい壁にぶつかったり、モチベーションを失いかけたりすることもあります。しかしネットワークの仲間たちとの横のつながりの中で、悩みを相談しあい、時に情報交換や協力をしながら、単純に居心地の良い楽しい時間を共有することで、勇気づけられる関係性が続いています。塾と言いながら、実は最も大切だったのは「学ぶ」ことではなく「つながる」ことだったように感じています。
【受講者の声】
「事前説明会から講義は始まっている!!というのが最終日の感想です。6回の講義やグループワークを通じ、各自の参加動機や疑問を共有したり、イベントの企画・集客・運営の基礎をもとに地域との係わり方を話し合うという機会を得られました。時にはグループメンバーと授業の課題から脱線してお祭り談義に講じたりもしましたが、いい出会いがありますので、多くの方にお勧めできる講座です。」
「引越しを機に自治会活動に携わる事になり、養成塾に参加しました。報酬をインセンティブとしたマネージメントとは違う、自治会・町会運営により適した具体的なマネージメント手法を体系的に学べます。一方通行の受講スタイルではなく受講生同士のディスカッションを中心とした講座なので、実例を共有しアイデアを出し合う過程で問題解決能力が磨かれます。自分の自治会でもすぐに活用できる、様々なヒントを得ることができました。」
「マンション管理組合のコミュニティ作りに役立てたいと思って参加しました。
講義+ワークショップの形で、コミュニティを取り巻く課題にどう対応するかを学ぶことができ、自分の課題に対する計画作りまで行うことができました。
また、参加者との交流を通して、お互いの悩みを相談できたり、各地域の情報を集めて盆踊りMAPを作るという共同作業にもつながりました。参加者間のネットワークが作れたのも大きな成果で、ぜひ参加して体感することをお薦めします。」
「さまざまな課題や想いを持った方々が集っており、毎回のグループワークにて大いに触発されました。回を追ってもやもやしたものが明確化され、最終日にはやるべきことの骨子が固まり、現在はマンションでの実施に向け具体的な取組を行なっているところです。塾の同窓生でゆるく集まる活動も行なっており,人脈・触発は継続されています。」
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