コラム「”始める理由”と”続ける理由”は同じではない」

いま関わっているコミュニティやNPOに、関わり始めた理由はなんですか?
その理由は、今でも続けている理由と同じものですか?

最近、いろいろな地域・組織から”新たな人材の獲得”や”コアスタッフを増やすための育成・巻き込み”といったテーマでのセミナーのご依頼をいただくことが増えています。
その中でマネジメント側の思考としてお伝えしていることに、”スタッフの報酬の確認”というものがあります。
これは金銭的報酬のことだけではなく、主に心理的報酬のことです。
たとえば、理念共感、成長実感、仲間・居場所感、スキルの獲得、多様な人材とのネットワーク、などなど。
CRファクトリーでは、新たなスタッフがチェックインする際に、報酬が何か=何故関わるのかということを必ず確認し、それを基に配属チームや業務・役割を一緒に考えることにしています。

コミュニティやNPOにおける関わりでは、この”何故関わるのか”の重要性の比重がとても大きいと感じているからです。

そして組織ではなく個人の目線で考えれば、冒頭の問いに戻ります。
私は、人のコミュニティに”関わる理由”は変化していくものだと思っています。

様々な出会い、失敗も成功もある体験、のめり込んだからこその感動などを経て、ふと、自分が思っていたよりも深く長く団体と関わっていることに気づきます。
その時改めて、関わりを”続ける理由”を考えてみることで、自分自身がいま大切にしている価値観や、コミュニティの中で得ることができているものを知り、自己理解が深まるきっかけにもなります。

ドラッカー先生は、「NPOはチェンジエージェントである」と言いました。NPOには関わる人に変化を起こす担い手としての役割があるということです。
理由が変わるということは、行動が変わることに直結します。

自分自身も含めてチームを見渡して、コミットメントやアクションの良い変化を感じ取ることができたら、その理由について対話してみましょう。
相互理解のレベルが深まり、きっとチーム全体のモチベーションを高めてくれるはずです。

(事業局長/コンサルタント 五井渕 利明)

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