コラム「インターンはNPOの”人手不足”を解消しない?」

みなさま、2015年のスタート、いかがお過ごしでしょうか?
CRファクトリーもすでに平常運行。年度末のいくつかの企画の進行や、来年度の戦略立案に力を入れています。
そして、春から新たなインターンスタッフを迎え入れるための採用活動を始めています。
今回のコラムは、インターンの採用をテーマにして書きたいと思います。

2014年のCRファクトリーは、いろいろな地域で数多く、セミナー実施の依頼をいただきました。
テーマとして多かったのは”新たな人を巻き込む”、”コアスタッフの育成”といったテーマです。
その中で時々、インターンの採用・活用について質問をいただくこともありましたが、「人手・リソース不足の解消が目的であればおすすめしません」とお伝えしてきました。
端的に言えば、マネジメント・育成のコスト(と表現するのはとても嫌なのですが)がかかることが理由です。

トップダウンの業務をひたすらこなす”駒”としてインターンを扱えばコストはかかりませんが、良い手とは言えないでしょう。
団体もスタッフも意味を感じにくく、おそらく短期的な関わりになってしまい、組織における人にまつわる課題を本質的に解決する”人の好循環”を生み出すには至らないと思います。

マネジメント・育成が不要の”即戦力”人材に絞って採用するという手段もあります。
これは有効ですし、この方針でインターン採用をしているNPOも多くあります。
メディアとしてはETIC.のサービス「DRIVE」が強いと思います。
人材のイメージとしては、たとえば以下のようなことがポイントでしょう。
◆ビジョン・ミッションへの内発的な共感が強い
◆時間がある(単位取得と就活を終えた4年生など)
◆自分の手で事業立案・推進することに経験と欲求がある
要件定義と採用活動を丁寧に行い、組織と人のミスマッチが無い状態でスタートさせる必要があると思います。

”駒”でも”即戦力”でもなく、時にはマネジメント・育成を必要としながらも、泥臭く一緒に成長していく”仲間”としてインターンとともにやっていくためには、団体側にも”覚悟と姿勢”が求められます。
あえてドライに言えば、リソースを投入し、コストをかけ、リターンを得るというひとつの”事業”として捉えることが必要です。
そのヒントとしては、以下のようなことだと考えています。
◆適切な”入口”づくり(採用要件の設計)
◆組織と人がともに”成長”していく仕組み
◆”主体性・愛着”を醸成するチームとメンター
◆ともに”成果”を生み出すプロジェクト設計・推進

CRファクトリーもまだまだ試行錯誤の日々ですが、確信を持って言えるのは、人として向き合いながら同じ方向を見て、ともに成長・変化しながら成果を出していくことは、とても”楽しい”ということです。
それはもう、涙が出るほどに。
だからこそ、インターンマネジメントの力をもっともっと磨いていきたいと思っています。

(事業部長 五井渕 利明)

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