【開催レポート:事例・アイディア集】緊急事態宣言明けの「ミーティング」と「イベント」をどうするか?


先日6月15日に「緊急事態宣言明けの「ミーティング」と「イベント」をどうするか?」(7/21も開催!)というテーマでワークショップを開催しました。
コロナ状況下で市民活動やコミュニティ活動の多くは逆風が吹いていて、どうやってこの先活動をしていくか悩んでいる団体も多いからです。

北は北海道から南は山口まで、NPO・市民活動・地域活動・サークル活動をやっている方々や、その支援をしている中間支援組織の方々まで、総勢24名の方が参加しました。

ワークショップのセッションテーマは、
1.現状・悩み・課題
2.取り組み事例・ノウハウ
3.アイディア・チャレンジ

の3つ。これらを切り口にみなさんで情報を持ち寄り、情報交換をしながら「集合知」を創り上げ、それを全体共有してそれぞれに持ち帰るという、とてもとても価値ある素敵な会になりました。

ここにそのときの「集合知」を共有したいと思います。ぜひ参考にしてください。
そして、この取り組みをしばらく続けたいと思います。先行きが不透明で不確実な状況においては、各現場で起こっている事例やノウハウを集合知として分かち合うのがとても有効だと思うからです。みなさんもぜひ次から参加してください。

1.現状・悩み・課題

ITリテラシー問題(高齢者)

  • 高年齢(75歳以上)なので、メールもできない、パソコンもできない・・・。
  • マンション理事会では高齢者が多い。オンライン機器に慣れていない。環境があっても、試そうと思ってくれない。
  • ITにチャレンジしないと決めている人をどうするか?
  • 会の中心は還暦世代。会議はZoomを使っているが、戸惑い多い。(マンションコミュニティ)
  • 市民活動団体支援では、オンラインミーティング・イベントを考えているが、対象者はシニア層が多く、オンライン参加するデバイスを持たず、やり方がわからないと、不安そうな団体が多い。(中間支援団体)
  • 中心はシニア、50~70代。オンラインに抵抗あり。講座に集まれないので、今年度の活動をどうするか悩み。
  • 「オンラインだったら参加しない」という人がいる。

認識の差・温度差

  • 「集まるのが怖い」という人と「集まってもいいじゃん」という人がいて、団体内で認識の差が生まれている。
  • コロナ対応への温度差がある。組織内での調整でもう疲れた。
  • 対面で行っていた子育てサークルをオンラインですることに決めたけれど、メンバー間で温度差がある。オンラインイベントをイメージできる人とできない人の差がある。
  • コロナだから仕方ないよね、と言えちゃう甘え。この状況だからやらないことは納得してもらえちゃう。
  • 情報共有レベルに差が出てくる。
  • 地方でコロナの感染者も少ないため、行政主導の場は既にオフラインで行っており、どこまで自分たちのオンライン化が受け入れられるのか心配。

オンラインの場づくりの難しさ

  • 顔が見える中でやっていた中で気持ちが伝わってきたが、オンラインにしたときに、そういうのが伝わりづらくなる。
  • オンラインだと、リアルで感じる空気感がないので、自分の話したことがどう伝わっているかくみ取れない。
  • 窓を開けて換気したり、距離を取ったり、マスクしたりしてできるけれど、そういう距離をとったりした中でおしゃべり会ができるのか?
  • オンラインに差し替えるものが難しい講座がある。
  • オンラインの場の参加者の適正人数はどれくらいか?どのくらいがスムーズなのか?がわからない。
  • 行政も参加する15人くらいの円卓会議を定期的に行っている。が、それをオンラインにするのは難しそう。ZOOMのようなオンラインだと肌感覚が異なり、理解しあうのが難しそう。(しかし、第2波が来てしまったら使わざるを得ないのではないかとも考える)
  • オンラインで、対面の話し合いについての講座を行うことに抵抗感や、やりにくさがある。

モチベーション維持が難しい

  • モチベーションの維持が難しい。
  • メンバーのモチベーションマネジメント、今後に向けて団結することができていない。
  • コロナ前は、公演期間以外でも観劇・飲み会など、会って活動の方向性を話し合う機会があったのに、それがなくなった。この期間が長くなるとモチベーションが下がる。

雑談がなくなった

  • 事務所でわいわいと雑談をしていたけど、それもなくなった。
  • 雑談・余韻を楽しむのがなかなかできない。
  • 雑談する時間がない。それがエネルギー不足にもつながるのかな。

大変すぎる・思考停止・エネルギー不足

  • すべてをいちいち一から考えなければいけないことが、今はとてもストレスになっている。
  • 思考が停止しちゃっている。今まで20年やってきたこととは違うことをしないといけない。打開するためのエネルギー不足という感じ。

方針・先行きが不透明

  • 今は稽古場や公演の機会がない。地域のイベントもなくなって、活動の場がない。先が見えずスケジュールが立てられない。
  • 総会どうする?方針どうする?を決めるのが大変だった。

通信環境が良くない

  • 回線トラブル。途中で切れちゃうなど。環境整えることが負担大きいと感じている。
  • 家庭の通信の状況、データ容量によって通信制限。

その他

  • 卒業式や誕生会のような儀式ができないのがさみしい。
  • 自宅を映すので、環境や家族の理解などが必要。
  • 家庭訪問ができない。(児童虐待防止の活動)
  • オンライン化でコロナ禍もチャンスにしている団体と、まったく止まってしまっている団体というように格差がでてしまっている。

2.取り組み事例・ノウハウ

慣れることが何よりも大切

  • Zoomなんて…という人も、1回やってみると思ったより簡単。自分もそうだった。実際に体験してもらうことも大事かな。
  • Zoomはやっぱり慣れですよね。回を重ねると大丈夫になってくる。
  • 毎週定期的にオンラインで「本読み会」をやっている。Zoomの使い方を学ぶ機会にもする。
  • オンラインは数をこなして、空気感やタイミングに慣れるようにする。

オンライン運営ノウハウ

  • Zoomの使い方 マニュアルをつくった。
  • オンラインセミナーに参加したという人がたくさんいたので、その人たちを集めて課題や工夫の共有勉強会をやった。
  • Zoomの場合はオーバーリアクションが大切。
  • Zoomでイベントを運営するとき、裏でメッセンジャーグループをつくって、スタッフ同士のやり取りしたのはよかった。
  • Googleドキュメントを使ってその場で議事録をつけながら会議を進めている。
  • 一対一で少しずつコミュニケーションを取るのが良い→本音が聞ける、いつもよりもつながれる。気軽にオンラインで会っておしゃべりできる。

オンラインの良いところを活かす

  • 同じセミナーに参加した人同士で集まって、振り返りの会をオンラインでやった。リアルだったらわざわざやらなかっただろうけれど、オンラインだからやりやすい。こういう文化作っていきたいね、と。

コミュニケーションの工夫

  • 公式・オフィシャルなコミュニケーションだけではなく、普段は表に出ないような感情含めて共有することは大事。
  • 普段の挨拶や「庭で花が咲いた」とか「水分とってね」とか、何でもない雑談が大切
  • 役員が今の気持ちをつづった通信「コロナに負けないぞ号」を会員へメールで送ったり、紙印刷で自宅に郵送したりした。

みんなが使っているLINEを活用する

  • LINEグループを使ってコミュニケーションやライン電話をしている
  • Zoomは難しいけれど、LINEはやっている人は多い。LINEでもグループ通話できるので、それをつかって、コロナのことや今の生活のことを話した。
  • 自粛になって会えなくなってからは、LINEで日常会話を交わしている。普通の話ができることが大事だと思った。
  • メンバー同士でLINEグループを作り、雑談したりテレビ電話を使ってコミュニケーションをとっている。PCが使えない人も居るのでスマホでもできるLINEが中心。

参加の機会の広がり(今まで参加できなかった人が参加した)

  • 参加したかったのにできなかったという声よりも、オンラインだから参加できた、という声が聞けて嬉しかった。
  • 今までよりもオンラインになった方が参加する人が増えた。オンライン化によって逆に活躍する人が出てきている

発想の転換・チャレンジ姿勢

  • できることを探すことが大事。マスクないならつくってしまえ。
  • 屋内でできない場合は野外でやることも考えてみる。
  • いまはオンライン化が始まったばかりなので、多少失敗しても参加者も温かく見守ってくれるので、考えるよりも実践する方が良いのではないかと思う。
  • 外に呼びかけないで、内部を充実する年にしようと思っている。

■リアルをつくる取り組み

  • 子ども食堂が開けなくても、お弁当を届けることはできる
  • 小学生に手紙を書いてもらい高齢者に発送する取り組み。普段会えないけれど、手紙で近況を知る。
  • 知り合いのところに筍がたくさん生えていたので、それをひたすら茹でて配り回った。
  • 40席ある会場→5名だけリアル+残りはオンラインで実施。
  • リアルの場について。市主催事業も不特定多数の集まりは中止だが、人数制限があれば実施が可能になった。検温や消毒に協力してくれていて、みんなが努力すれば、リアルに集まれると感じた。リアルな場を全て諦める必要はないと感じている。

その他

  • 事務所の様子をただただライブ配信した。
  • Pocket WiFi費用の負担をしてあげる
  • オンラインライブを行っている知り合いの団体が、施設職員にZoomを覚えて操作してもらい、高齢者が施設に集まって、隙間を開けて座って、パブリックビューイングにした事例がある。
  • この機会なので、代表の仕事が増えたので「手伝って」と言いやすくなり役割を振りやすい。役割があると参加意識が出てくる。

PDFのレポートはこちら(ダウンロード可)

20200615_コミュニティマネジメントカフェレポート

これから長く続く「コロナ時代の市民活動・コミュニティ活動」をどのように進めていけばよいのか。一人で考えないで、みんなで一緒に考える場をつくって、一緒に知恵を出し合っていければと思います。これからもご期待ください。

【お知らせ】7/21(火) もお申込み受付中!

シェアする

フォローする