【代表コラム】いま必要なのは「強くあたたかいチーム」だと思います

「強くあたたかいチームが大事だ」という思い

新型コロナウイルスの影響によって、今までのようにはミーティングができない、イベントができない、活動ができない状況が続いていると思います。3〜5月はInコロナの中で、不安を抱えながらバタバタとしていたところも多かったと思います。その時期が少し落ち着きを取り戻し、「いよいよここからどうしていこうかね〜」と考え始める時期に入っているのではないでしょうか。

この3〜5月の時期にとてもとても思ったことがあります。それは「強くあたたかいチームが大事だ」という思いです。そして、さらに言うならば、急激な変化対応や迅速な意思決定などの「強さ」をもって緊急事態を切り抜けていくためには、「あたたかさ」が大事だということです。「あたたかさ」とは、「この団体や仲間のためにがんばりたいよなぁ」と思える団体や仲間への“愛着”「このメンバーとだったらこの状況下でもやっていけそうだ」と思える“心強さ”お互いの意見や考えの違いを超えて、「まぁいっか。一緒にやっていこう」とわかり合い、認め合い、許し合えるような“関係性”。これらがいま最も重要な気がします。

緊急事態は自然な力学として、「事業をなんとかしよう」「活動をなんとかしよう」「お金をなんとかしよう」という成果コントロールの方向に意識が集中します。火事が起きているんだから、その火を消そうと一生懸命になります。事業・活動が前に進まないし、お金も回らなくなってくるし、もうどうしようと焦ります。私のような代表の立場の方は最もこれが強くなるのではないでしょうか。

代表という人種は、団体を産み出した親のような構造が常にセットされていて、その生存や存続や幸福に人一倍想いを持っています。最後の最後は自分が面倒を見るという深い覚悟がどこか奥底にあって、それがこの緊急事態において「焦り」や「いらだち」になることだってあるでしょう。「強さ」を志向する人には、その理由がやっぱりあるのです。

敢えてベースキャンプに戻り、仲間と目線合わせをしよう

でも、だからこそ、いまは「あたたかさ」に目を向けて、そこに手を入れるようなマネジメントが必要だと考えます。目の前で火事が起きているのに、敢えてベースキャンプに戻って、仲間と目線合わせをするようなイメージです。そのことが結局、火事を消すことに最も効果的な方法・道のりだったりするのです。「このメンバーとならやっていけそうだ」と思えたならば、どんな状況だって乗り越えていけるというのは、私にとっては強い確信です。

でも、実際はそんなに簡単ではありません。緊急事態対応のコミュニケーションばかりが増えて、お互いのことを知り合う・思いやり合うコミュニケーションは自然と減ります。リアルで会えない分、コミュニケーションの質や量が減ってしまっている状況だってあるでしょう。そうなるとなかなか目線や気持ちを合わせづらく、一致団結感や温度感をつくりにくくなることは容易に想像できます。何かを変えていかないと「チーム感」を取り戻すことは難しくなります。

ここでお願い・提案です。メンバー同士で相互理解をするような時間・機会・場をつくりませんか。一歩下がって、メンバーの状況や気持ちや考えをお互いに共有し合うという時間の使い方をしませんか。果実が実るための「根」の部分に水や肥料をやるような取り組みを団体内でしてみませんか。もし活動が停まっているならば、それをする時間がつくりやすい状況かもしれません。まずはおしゃべりからでもいいから、近況報告や今の気持ちを確認し合うような場をつくれたら、そこがきっかけとなってまた前に進む動力になるかもしれません。

もう少し踏み込んで具体的なノウハウを言うと、「振り返り」をすることは有効かもしれません。この3ヶ月間ぐらいを振り返り、個人個人がどんな経験をして、どんな景色が見えていて、どう感じていたのかを1人ずつ共有し合う。とても豊かな時間になります。
さらには、CRファクトリーでもやっているのですが、「壁打ち」をやることもおすすめです。1対1や3人グループをつくって、それぞれが話したいアジェンダを立てながらいろいろな話をする。すごく相互理解が進むし、メンバー間の横の関係が太くなっていきます。
(具体的なやり方はまだまだありますが、それはセミナーやワークショップなどでも取り上げていますので、もっと詳しく具体的に知りたい方はご連絡ください)

「良いチームと関係性」を育み、困難や壁を乗り越えよう。

いま必要なのは「強くあたたかいチーム」だと思います。良いチームと良い関係性を育むことができれば、これから先も起こるかもしれない様々な困難や壁もしなやかに乗り越えていけるかもしれません。今こそメンバーに働きかけて、横で手を取り合うイメージで、みんなと目線や気持ちを合わせていきましょう。その関係性が基盤になって、また花が咲いたり果実が実ったりする。みなさんの市民活動・コミュニティ活動がイキイキと進化しながら前に進んでいくことを願っています。(だって、市民活動・コミュニティ活動は大事だからです)

NPO法人CRファクトリー
代表理事 呉 哲煥

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