コラム「他者目線/『これから』を生む対話」

「他者(相手)目線で仕事しよう!」なんて、上司・先輩に言われたこと、ありませんか?
私はインターンスタッフによく言っています(笑)。

NPO法人CRファクトリー-似顔絵

他者目線、他者目線と言っても、少なくとも個人的には、出発点は「自分のため」から身についたスキルでした。小心者なもので、人に嫌われるのが怖いんですね。なので、どうにかして人の懐に入ろうと、次第に相手の目線を観察・考察するのが常態になっていました。相手がどう思っているか、何を望んでいるか、どうすれば手間が省けるか、どうすれば喜ぶか、どうすれば利益を感じるか。

そうしているうちにいつしか気づいたのは、相手が気持ち良く感じるコミュニケーションを続けることだけでは、その「先」が生まれにくい、ということでした。

シンプルに一対一で対話をしていても、そこには複数の「視点」が関わります。
自分、相手、自分の背景(所属団体・仕事など)、相手の背景、対話を見ている・聞いている第三者、対話の結果に影響されるその場にいないどこかの誰か。

私が思うに、対話の「先」を生み出すために最も重要な視点とは、「相互」です。
つまり、対話やコミュニケーションを経て、自分と相手、互いの間に何が発生するか、どんな結果・成果が得られるか。
たとえば、仕事上の案件が進むこと、一緒に何かをするプランが生まれること、次の約束が具体的に決まること、互いにとても楽しい会話ができたこと。
ここで重要なのは、「コミュニケーションを経て何が生まれたか」が相互にとって明確であることです。
「今日話したイベント、是非一緒に実現させましょう!」「次は○月△日に、ここで会いましょう」「話をしてとっても楽しかったです!僕らはテンポが合いますね」
結果・成果が明確に感じられることで相互作用への信頼が高まり、関係性に価値を見出し、これからにもつなげたいという意識が働くように思います。

NPO法人CRファクトリー-握手

関係性を良好に、価値あるものとして、次につなげるために。
「相互」の作用で何が生まれるか、という結果・成果を意識したコミュニケーションが重要であると考えています。

加えて言えば、常に互いの間に「これから」「未来」を意識できる関係性とは、とても心地よく、そしてワクワクさせてくれるものだと感じるのです。
「私たちの間で、これから何を生み出そうか」
そんなことを言葉にしながらの心躍る対話を、日々重ねていきたいものです。

(コンサルタント 五井渕利明)

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