【スペシャル対談企画①】VUCA時代の”コミュ活”のススメ(ゲスト/難波 猛さん)

CRファクトリーが新たに推進する「コミュニティ活動力教育事業」は、ひとりひとりが自分に合ったコミュニティを見つけ、参加する力を育み、幸せに生きることをめざした取り組みです。

今回の対談では、特にミドルエイジ以降のコミュニティ参加の重要性とその価値について探っていきます。第1回は、マンパワーグループ株式会社人事コンサルタント・難波猛さんをゲストにお招きしました。(聞き手:CRファクトリー代表 呉 哲煥)

難波 猛さん
・マンパワーグループ株式会社ライトマネジメント事業部
シニアコンサルタント
・プロティアン・キャリア協会認定アンバサダー
・人事実践科学会議 事務局長
・立命館大学経営学部大学院 授業担当講師
・日本心理的資本協会 理事
1974年生まれ。早稲田大学卒業、出版社、求人広告代理店を経て2007年より現職。
人事コンサルタントとして2000名以上のキャリア開発施策、人員施策プロジェクトにおけるコンサルティング・管理者トレーニング・キャリア研修等を100社以上担当。

ー 本日は対談の機会をいただきありがとうございます。さっそく質問です!
コミュニティ活動(コミュ活)の必要性・重要性について・・難波さんご自身は、なぜコミュ活が必要だと思われますか。ぜひお考えをお聞かせください。

難波さん: 私は、仕事がいわゆる人事向けのコンサルタントということで、企業で働いてる方々のキャリア開発などを主にやっています。それで私自身もそうだったんですが、4年くらい前までは、ほとんど自宅と職場の往復以外、何もない生活を送っていました。

そうなるとすごく同質性の高い集団とか価値観にやっぱり染まってしまって。うまくワークしている間は良かったのですが・・コロナ禍・VUCAの時代のタイミング、いろんな環境変化をしていかないといけないときに、このままだと自身の変化対応力が落ちてしまう、という危機感を持ちました。

キャリアもこのままだと先が行き止まりになりそう・・とモヤモヤ感じていて、それでいろんな朝活に出てみたり、オンラインコミュニティに出てみたりというのを恐る恐る始めたのです。そういう変化対応力であったりキャリア形成力という意味でも、コミュニティに参加するって必要なことだなと思っています。

以前はやり取りする友達がメールで1~2人で、あとは会社の人くらいしか連絡を取っていなかったのですが、今はSNSでトータル2万人くらいとつながっていて、コミュニティも5~6つ関わっています。(危機感を持った)当時は45歳くらいだったんですが、すごく感じているのは、「やろうと思えばいつからでもできる!」ということですね。

VUCA(不確実、不安定、複雑、曖昧)の時代、正解がわからない中、いろいろな人から入ってくる情報・ご縁・案件が重要だと思います

ー すごいですね!ご自身の実体験でも構いませんが、コミュ活の効果効用といいますか、コミュ活をすることでどんな良いことがあると思われますか?

難波さん: まず、心理的な効果というところでは、精神的な安定性がすごく増す気がしますね。自分の居場所が家にしかない・職場にしかない、という状態で限られていると、「あそこで嫌われたらどうしよう」とか「家族以外に理解してくれる人がいない」・・など、そんなふうに孤独やストレスを抱えたミドルシニアをたくさん見てきました。

いろんな人と関わり、コミュニティで新しいつながりを築くこと・・キャリア理論でいうと”ソーシャルキャピタル”という表現になりますけれど、それが広がることによって、自分の居場所や活動を肯定してくれる人が増える。それはすごく大きなことだなと思います。

また、ビジネス的・物理的な効果としては、人とのつながりが増えるごとに、さまざまなご縁・機会が入ってくるケースも非常に増えると実感しています。こうして対談の機会をいただいたり、出版イベントに招いていただいたり本を書くことになったり・・大学での登壇も、コミュニティで知り合っていた大学教授とのご縁により実現しました。

VUCA(不確実、不安定、複雑、曖昧)の時代、正解がわからない中、いろいろな人から入ってくる情報・ご縁・案件が重要だと思います。自分自身が変わる・変わり続けていくことはとても大事で、その原動力になるのがやはり人からの学び、刺激なんだろうなと。

柔軟性がなくなりつつあるミドルシニアこそ、コミュニティや人とのつながりを意識的に増やしたほうがいいなと思っています

ー 一本足打法だと、そこがうまくいかなかったときになかなかしんどくなる。それが二本足、三本足、四本足・・となっていくと、どこかでうまくいかなかったり弱ったりしても保てたり、安定性が増すというのはありますね。

難波さん: そうですそうです。人とのつながりがこれだけできると、例えば何かで会社をクビになったとしても、FacebookとLinketInに投稿すれば誰かから声がかかるだろう、というか。相談できる相手がいる・セーフティネットとしてのコミュニティの力ってやっぱり大きいですよね。

これからの時代は、「ここがうまくいかなくても他がある」という柔軟性・弾力性(=レジリエンス)がすごく大事だと言われています。そのレジリエンスを高めるコンピテンシーのひとつがリレーションシップ(人とのつながり)。そういった点では、柔軟性がなくなりつつあるミドルシニアこそ、コミュニティや人とのつながりを意識的に増やしたほうがいいなと思っています。

積み上げてきたもの、知識・経験・考え方や肩書きも含めて、柔軟性が少しずつ弱くなってくる年代です。コミュニティにいくと、会社の肩書きなど関係なく、全員フラットな状態で会うので、そういう状態での自分のアイデンティティってなんだろう?と探っていくことは、自分のリフレーミングにもつながりますね。

ー 会社ってある程度上下関係の力が働くこともあるし、実績によって一目置かれるといった力学もありますが、コミュニティにいくと全部なくなる。リフレーミングとしてはいい環境ですね。

難波さん: 法政大学の石山恒貴先生(「越境学習入門」著者)がおっしゃっていましたが、20年30年と働いていると会社の肩書きと自分のアイデンティティが一致しがちで、それによる行動規範が生まれたりするので、それをどこかで一回剥がす作業が必要だと。コミュニティなど、それが全然関係ないところに行ってみるというのはすごく価値がありますよね。

私が結構必要だなと思っているのは「距離確保力」と「個性発揮力」ですね

ー 面白いですね!ではここで、少しスライド共有させていただいて・・
「コミュニティ活動の中で必要な10個の力」というのを挙げていまして、私たちはこれを軸に今後さまざまな企画を考えているのですが、この中で、難波さんがこれは重要だなと思うものがあれば教えていただけますか。

難波さん: 全体的に見ると、すごくキャリアデザインのフレームとリンクしているなと思いました。Will/Can/Mustという自分自身のワークライフを含めたデザインに、「自己理解力」というのは大事だと思います。自分が何をやりたいのか、その上で周りから何を期待されていて何ができるのか、ということを考えていく。

その中で、私が結構必要だなと思っているのは「距離確保力」と「個性発揮力」ですね。合わせすぎない、抱えすぎないというか、コミュニティって自分のWill/Wantでやるものだと思います。仕事でもないのに、義務・負担・ストレスになると身も蓋もない。自分はどういうスタンスでコミュニティと関わるのか、あるいは関わらないのかを決めておくことが大事だと思います。

今、人事担当者のランニングコミュニティに入っていて、イベントが結構あるんです。でも私は超朝方人間なので、夜走るランニングにはほとんど参加しないんですね、スケジュールが空いていたとしても。それは自分の生活リズムを大事にしていて、例えば夜走ったあと飲みに行くとなったら、10時を超えるともう自分の睡眠スケジュールが崩れるので。そんなふうに、最初からあらかじめ自分のスタンスを出しておくというのも必要なことかなと。

適切な距離を取るとか、自分の取説をつくって自己開示するなど、こういうスキルはコミュニティや働く組織でも使えるようになると、ストレスの少ない人生が歩めるなと思いますね。

難波さん: 一方で、周りのメンバーと関わるときには、環境適応とか、他者を受容・許容する力もやっぱりいるなと思っていて。「このイベントはみんな出ないと!」という同調圧力が働くと、何かすごく居心地悪くなってくる。やはり本人のライフスタイルや価値観、優先順位に応じて関わる。関わり方は多様であっていいと認める、成熟した集団であることっていうのはすごく大事ですよね。

コミュニティではちょっとだけ”自分ファースト”を大きくしてもいいのではと思いますよ

ー そうですね、まさに。コミュニティ側も関わり方が多様であるということを、どのくらい明文化するか言語化するかはわからないけれど、それがあることによって、よりいろんな人が中長期的に関わりやすくなりますね。

難波さん: 会社で真面目な人はコミュニティでも真面目で、期待に応えようと頑張ってしまう。そこまで頑張らなくてもいいんじゃない?と思うこともありますね。好きで好きで仕方ないならいいんですが、コミュニティではちょっとだけ”自分ファースト”を大きくしてもいいのではと思いますよ。

ー なるほど!ありがとうございます。そんな難波さんから、コミュニティ活動を始める際のヒントやアドバイスがあればぜひお願いします!

難波さん: 初めて参加をしてみようかな、と思っている人に対して思うのが、「つまみ食い」で良いということなんですね。ヒットアンドアウェイ。行ってみて、合う場合もあれば合わない場合もある。吟味して吟味して・・よりは、とりあえず顔を出してみる。嫌だったら次から行かないという選択をするだけ。ビジネスプランをまとめる活動ではないので、Will/Wantに従って、まず一歩踏み出してみるというのがいいかなと思います。

私も最初コミュニティ活動を始めた頃はよくわからなくて、Google検索してとりあえずいっぱい出てみました。その中で、今でも実際続いているのは1個か2個だったりするので。

そのあと、実際に動き始めたら、自分が気が乗ったときには深く入ればいいし、そうじゃないときは浅く付き合えばいいと思います。
先ほど言ったランニングコミュニティでも、私は実は最初ランニングが別に好きでもなかったんです。でも何回か誘われて行ってみたら居心地がよくなって、ランニング自体が楽しくなり、今ではもう毎月300キロ走るようになった、という感じなので。

その時々の自分のテンションによって、コミュニティとの距離もやはり変わってくるので、昔は頻繁に出ていたけど今はそうでもないコミュニティもあったりします。そこはうまくバランスを取るということと、あと「このコミュニティが続いてほしい!」というものには、何でもいいから何か貢献する、ということですかね。例えば、イベント幹事でもいい。”調整さん”を作るとかの裏方とかでもいい。SNS発信でもいい。何でもいいので、どこかでTakerからGiverになることで、良い関係性が築けるかなと思いますね。

「コミュニティ」は人生100年時代の自分のキャリア・ライフデザインの重要なパズルのピース

ー なるほど、めちゃくちゃ面白い!
それでは最後に、これからコミュ活をする方々へぜひメッセージをお願いします。

難波さん: キャリアデザインをやっている立場から言うと、今はリアルで人生100年、70歳まで働くという時代。前例のない長生き、長く働く時代なんですね。だから40-50代で自分の居場所・関係性が限定されている・広がらないとなると、いろんな面でのリスクとなるし、精神的楽しさ、チャンスも減ってしまう。

その点では、自分のストレッチとして、「やってみたら楽しいよ!」だけでなく、自分のキャリア・ライフデザインの重要なパズルのピースなんだということを理解して、恐る恐るでもいいから始めてみるということが大事ですね。私も感覚的に楽しそうだと始めたというよりは、キャリア理論やライフシフトを学んでいった中で、「このあたりで動いておかないとやばい!」と思って始めたのが最初の一歩だったりしました。

あと、特にミドルシニア層の方々では、コミュニティで「何を話せばいいかわからない」というのもありますね、私も最初はそうでしたが・・コミュニティでは名刺も交換しないんですよね。みんなSNSでつながってるんだ!と慌ててFacebookアカウントを作ったのが4年前だったりするんで。
なのでそういう恥をかくこと、新鮮なことも楽しんでね!と思います。コミュニティ活動をやってみると、すごく自分の人生に良い影響があるので。

ー いろんなお話を聞かせていただき本当にありがとうございます!!

「コミュニティ活動力」を深めたい方はぜひ!

【1月開講・参加者募集!】
“コミュ活”プログラム
「コミュニティライフシフト」
~人生のポートフォリオに「コミュニティ」を
(全5回/東京・田町&オンライン)

■日程[2024年]
Day1  1月20日(土)13:00-17:00 @リアル(東京・田町)
Day2  1月25日(木)20:00-22:30 @オンライン
Day3  2月 3日(土)13:00-17:00 @リアル(東京・田町)
Day4  2月22日(木)20:00-22:30 @オンライン
Day5  3月 2日(土)13:00-17:00 @リアル(東京・田町)

■リアルの会場
Day1、Day3、Day5:コミュニティスペースmingle(東京都・田町)
東京都港区芝4-7-1 西山ビル4階
アクセスはこちら

■定員
20名

■参加費
22,000円(今回のみの特別価格)

 詳細・お申込みはこちら

【お問い合わせ】
NPO法人CRファクトリー イベント事務局 event@crfactory.com

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