コラム「地域の”担い手”が備える3つの資質~何をやるか→誰がやるか~」

先日、私が講師として”地域活性化って、ナンだ!?”というテーマ での勉強会を開催しました。 ディスカッションではそもそもの話から盛り上がり、 “協働””ゆるキャラ””地域おこし協力隊””ご当地グルメ””コミュニティデザイン”など、 いろいろなアプローチについての考えや知見をシェアしました。 私が上映会展開を担っている映画「ふるさとがえり」の事例も交えつつ。 A4_omote_t06   そもそもの話と言えば、「地域活性化」という言葉の背後には、 地域とは何か(どこか)、活性化とは何か(誰のための、どんな状態か)、 という問いが常に付いてきますし、常に立ち返ることが必要な観点です。 そしてこのテーマがトピックとして取り上げられるとき、 多くは前述のようなアプローチ(何をやるか)に焦点があたります。 しかし同様に重要になるのは、そのアプローチの”担い手”(誰がやるか)です。 どんなに優れた事例・手法があったとしても、それを実際に現場で推進する、 主体としての”担い手”が不在では現実は動いていきません。 CRファクトリーでも様々な行政組織や地域の中間支援組織と一緒に 地域コミュニティの再構築や協働事業推進などを行っています。 やはりこの”担い手”をどう輩出・育成・支援するかということに 常に苦心しますし、結局はそこに帰結する場面も少なくありません。 この”担い手”とはどんな人なのか、どんなことが必要なのか。 実際に担っている人たちの顔を浮かべながら考えてみたら、 NPOのスタッフにもかなり共通性のある、 3つの資質が浮かび上がってきました。 ◆コミットメント ◆エンゲージメント ◆仲間 ◆コミットメント まず、アクションを”自分事”として考えて、強い主体性を発揮して、 楽しみながらどんどん推進力を高めて突破する、”コミットメント”が 不可欠だと思います。 地域で何かを起こそうとしたときには、 本当に本当に多様なステークホルダーが関わります。 そこには利害もしがらみもあるし、スタンスも背景も様々です。 待っていても自然には解決しない事柄ばかりの現場では、 「自分がやるんだ」という強いコミットメントこそが実態をつくり上げていくことになります。 ◆エンゲージメント 風景、食、歴史、文化、物語、人。 地域のことをどれだけ愛しているかという”エンゲージメント”は、やはり大切です。 その担い手にとっての“始める理由”にもなり得ますし、 ”やり続ける理由”として気持ちの中の大きな割合を占めるでしょう。 「なんだかんだ言っても、好きなんだよね」 そんなシンプルな想い・愛着が原動力になり、 さらに周りの人を巻き込む魅力にもなっていきます。 ◆仲間 最後に、”仲間”の存在です。 応援してくれる支援者や共感者の存在ももちろん大切ですが、 ここでの”仲間”とは、ともに考え、ともに動いてくれるパートナーのことです。 漫画「ワンピース」風に言えば、”一緒に船に乗り込む奴ら”です。 地域の現場に限ったことではありませんが、 「誰がやるか」と同様に「誰とやるか」も、 特にモチベーションの継続のためには非常に大きなポイントになるでしょう。 地域活性化も担い手づくりも、決して”共通の答え”のある問いではないと思っています。 そんなに簡単なことでもないと、感じています。 常にそれぞれの現場で試行錯誤しながら動き続けることで、 ようやく少しずつ近づいていくことができるのでしょう。 歩みを止めず、関わる地域にしっかりと向き合い続けていきたいと思います。 (事業局長 五井渕 利明)

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