コラム「一対一を積み上げることが強い組織をつくる」

こんにちは、代表の呉です。

最近、団体内で流行っている(?)人事制度があります。
それは「壁打ち」というものです。
「壁打ち」とは、月に一回スタッフ同士が一対一で、相互に業務相談をし合うような相互メンタリングの仕組みです。
「壁打ち」のネーミングは、テニスのイメージから来ています。テニスプレイヤーが壁に向かってボールを打つ、そんなイメージです。
スタッフの一方が「選手」になり、もう一方が「壁」になり、選手の練習(企画立案・思考の整理)に付き合います。

「選手」はアジェンダ(議題)を立て、それについて「壁」に付き合ってもらいながら、話をしていきます。アジェンダは、「◯◯イベントの企画について」とか「◯◯チームのマネジメントについて」とか「忘年会の企画について」などなど、そのスタッフが担当しているプロジェクトや業務がアジェンダになり、それについて約1時間、「壁」に向かって話をしていきます。「壁」は議事録をとってあげたりします。
これはマネージャーがスタッフを面談してあげるというようなものとは違い、スタッフ同士が相互にローテーションで行ないます。

CRファクトリーの場合でいうと、約15名のコアスタッフが、それぞれ総当りで組合せを決めます。Aさんが選手をやるときはBさんが壁、Bさんが選手をやるときはCさんが壁、Cさんが・・・、というように全員が「選手」と「壁」の両方を担当します。それを月に1回の頻度で行ないます。
よって、各スタッフは月に2回(各1時間ずつ=合計2時間)を壁打ちの時間に充て、1回は「選手」、1回は「壁」をやることになります。

「壁打ち」には良いことがたくさんあって、
① スタッフが一人で抱えているプロジェクトや業務について相談できるので、企画立案のスピードや精度が上がる
② 思考が整理されることによって、モチベーションがぐっと上がる
③ スタッフ間の関係性が強化され、組織が強くなる
などです。

その中でも、「組織の視点」に立ったとき、とても効果を感じているのが③です。
一言で言うと「一対一を積み重ねることが組織を強くする」という実感です。
集団というのは一つの生き物で、良くも悪くも集団の力学がはたらき、良い方向にもぐーっと上向くこともあれば、悪い方向に下向くこともあります。一対多で対応してしまっているがゆえに、集団をうまく操縦できずに、自分だけ浮いてしまって苦しむといった経験をされた方もいらっしゃると思います。

一対一で面談したり、お茶したりするのは、スタッフ同士も多少緊張したりするものですが、やってみると明らかに個々のつながりは深くなり、お互いの状況も共有・理解できて、その積み重ねが「組織」を強くしていると実感しています。

代表・リーダー・マネージャーがスタッフを一対多でメンタリング/ケアしてあげるのとは違い、スタッフ同士が相互メンタリング/ケアし合えるところも大きなポイントですね。
「一対一を積み重ねることが組織を強くする」。
ぜひみなさんの団体でも、一対一を積み重ねるような仕組みをつくって、組織を強くしてみてはいかがでしょうか。

(代表 呉哲煥)

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