コラム「ネットワークを育てる」


こんにちは、代表の呉です。

よく「横のつながりが足りない」だとか「NPO同士の連携や行政・企業との連携が大事だ」とか言われることがありますね。
しかし、自分たちの団体の運営だけでも精一杯で、そこまで手が回らないというのが本音であり、実情なのだと思います。
それも十分わかった上で、自分たちもそうだから自戒も込めて言いますが、「ネットワークを育てる」ことが大事みたいです。

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『世界を変える偉大なNPOの条件』の6つの原則のうちの4つ目の原則は、この「ネットワークを育てる」であり、偉大なNPOはことごとくネットワークを育てることに時間やお金や人員を投入しています。経営戦略の核なんですね。

■知識を分け与え、他の団体を支援する。他のNPOが模倣するのを積極的に助ける。オープンソース戦略。

■未来は大きな組織のなかにはない。未来はネットワークの中にあり、他の組織に奉仕することにある。


■競争は逆効果。他のNPOはパートナー。他のNPOと協力して資源を増やしていくことが、私たちの仕事。


■社会変革を起こすうえで、「組織志向」は最速でも最短の道筋でもない。(ネットワーク志向が最速で最短)


■ネットワーク重視は自己利益に適う。NPOのネットワークを通じて連携し、単独で活動するより大きな影響力を発揮するのである。


■ネットワークを「てこ」に影響力を高める。彼らは、自分たちの城を築いたり、資源を貯めこんだりすることはない。逆に、知識や資源をどんどん他に与えて影響力を高める。


■才能を囲い込まず分野の人材を育て、同じ分野のNPO全体で共有する。「私たちと働いた後、ここを出て行った人たちが、社会全体への“配当”であり、社会の人的基盤となっている。」

『非営利組織論』にも以下のような記述があります。
①ネットワークで資源を融通し合う
非営利組織が資源不足に対処するためには、ネットワークを形成することがある。意図的にはじめからネットワークをマネジメントに取り入れるのである。自前の資源調達に固執するのではなく、不足は不足として、むしろネットワークを積極的に展開すれば、相互依存することで自立の余地は少なくなるが、関連する組織が互いに連携すれば、融通できる資源は格段に多くなる。
②コア・コンピタンスと相互補完
単独の組織によるフルセット戦略は限界に突きあたり、それに代わって、それぞれコア・コンピタンスを持つ分野に特化した諸組織が、相互補完的に結び付き、全体としてフルセットのサービスを提供するネットワークが優位性を持つようになる。

ここにもあるように、団体のレベルやステージをもう一段上にあげたいと思ったならば、その方法のひとつは「ネットワークを育てる」ことなのかもしれないですね。
そして、そのためには、「コア・コンピタンス(強み)」を持つことや「何屋さんなのか」ということを明確に定めて実績を積むことも大事な気がします。その方が他の団体やパートナーと組みやすくなりますからね。

団体の運営や人のマネジメントで精一杯ではありますが、少しずつ少しずつネットワークを育てて、ネットワークの力で団体を引き上げつつ、ビジョン達成の実現力を強めていきましょう。

(代表 呉哲煥)

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