コラム「コミュニティ社会をつくる」

こんにちは、代表の呉です。
11月から「コミュニティ塾」が開講しました。毎週熱く学び合っています。
第1回のテーマは「なぜ現代においてコミュニティが重要なのか?」です。

自殺者3万人
うつ病100万人
児童虐待相談件数6万件
孤独死3万人

現代社会を象徴するような社会現象であり、これを生み出している根本的な
構造要因は「コミュニティ」にあります。

$NPO法人CRファクトリー

戦後の人口大移動によって都市に人が流出し、「農村共同体というコミュニティ」
が弱くなりました。
それと比例して「親族・大家族というコミュニティ」そして「地域という
コミュニティ(地縁)」が弱くなり、旧来型のコミュニティが個人にとって
役に立ちにくくなったのです。
自由で選択的な社会において、受け皿になったのが「会社というコミュニ
ティ(社縁)」であり、また「核家族というコミュニティ(血縁)」です。
これは比較的選択性が高く、自由で選択的な社会にはマッチしました。
しかし1990年代のバブル崩壊以降、この「会社(社縁)」と
「核家族(血縁)」も個人を包摂するコミュニティという機能としては
あやしくなってきました。
(「核家族(血縁)」の機能低下の根拠としては、「未婚率の上昇」「離婚率の上昇」
が挙げられ、核家族がつくりにくく、且つ、維持しにくくなっている現状があります)

これらの構造変化から、現代は「個人が孤立しやすい構造にある」と言っても
過言ではないでしょう。現にデータとしては、最新の国勢調査で「単身世帯」が
1500万世帯(人)となり、総世帯に占める割合は32.1%、初めて3割を超えました。

このような現代の状況の中で「コミュニティ」をどうつくっていくかは、
最重要の国家的な問題と言ってもよいでしょう。

家族というコミュニティをどうつくっていくのか
会社というコミュニティをどうつくっていくのか
地域というコミュニティをどうつくっていくのか
そして我々が力を入れている「NPO・市民活動・サークル」などのコミュニティ
(テーマ型コミュニティ・選択縁)をどうつくっていくのか

これからの日本社会は、これらのコミュニティのあり方・機能・割合を
どうつくっていくかですし、個人がそれぞれのコミュニティをどういう
バランスで渡り歩いていくのか(軸足を置いていくか)です。

「自分にとって最適なコミュニティのかたち」が可能なように、コミュニティの
選択肢があることは重要でしょう。
必ずしも「家族」「会社」に包摂するだけでなく、「NPO」や「シェアハウス」など
現代的なコミュニティの選択肢も豊かにしていかなくてはなりません。

そしてそれらを選ぶ個人のコミュニティリテラシーの向上も重要ですが、
「誘って」「巻き込む」「ちょっとおせっかいな」コーディネーター的な存在も
大切になってくるような気がします。

(代表 呉哲煥)

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