コラム「地域コミュニティの未来へのヒント」

こんにちは、代表の呉です。

早朝に公園を散歩していると、犬を連れた人たち同士が
「おはようございま~す」とあいさつをし合って、楽しげに
世間話をしている姿を見かけます。

「これ、犬がいなかったらこの人たちはつながっているのかなぁ」
とか思ったりします。
実際、犬を連れていない私は、早朝の公園に知り合いはいません。
「犬」という共通点が人をつなげるんですね。

$NPO法人CRファクトリー

私が住んでいる地域で、私の地域の知り合いと言えば、
保育園のパパママです。
家族ぐるみの付き合いで、しょっちゅうお互いの家に行って
ご飯食べるし、節目節目ではたくさんの家庭が集まって飲み会
するし、今年はなんと北海道旅行も一緒に行きました。
「子ども」という共通点が人をつなげるんですね。

もし「犬」も「子ども」もいなかったら、もしかしたら
「地域に知り合いがいない」ということは普通に起こること
のような気がします。
(そういえば、独身時代に住んでいたところでは、
行きつけのお店の人以外での会話はほとんどなかったなぁ)

時間の針を30年戻して、私が生まれ育った地域には、
「地域コミュニティ」と呼べるものがありました。
(世田谷区北沢というところです)
うちの父も含めて「職住近接」のお父さんが多くて、地域によく居ました。
うちの母は働いていましたが、今に比べると「専業主婦」も多く、
友達の家には放課後遊びに行ってもお母さんがいました。
つまり、地域に居ました。
「地域」という「共通点」でつながれる構造があったように思います。
(東京のど真ん中なのに家に鍵をかけていませんでしたし、
雨が降ったら隣の人が勝手に家に入って洗濯物を取り込んでくれていました。)

時代が進み、より自由で選択的な社会になり、「職住分離」「働くママ」など、
いろいろな構造変化もあり、「地域」という「共通点」だけでは人がつながり
にくい時代になりました。「北沢に(近くに)住んでいるから」という理由
だけで、隣近所や地域の人々がつながれる時代ではないのかもしれません。
近所や地域に知り合いがいなくても、外部サービスを利用して生きていけ
ますしね。人がつながるには違う「共通点」が必要なのかもしれません。

それは何か?結論を急ぐと、それは「関心」のような気がします。
「アニメが好き」「野球が好き」「韓流ドラマが好き」「登山が好き」
「知的障がいの人たちをサポートしたい」「一人暮らし高齢者の話し
相手になりたい」などなどなど。

自由で選択的な社会において、「人と人をつなぎ」「コミュニティ」を
つくっていくためには、「関心」を基軸につなげていくことですね。
「関心」を基軸に人が集まり、交流し、つながり、コミュニティになっていく。

それ(つながり/コミュニティ)が例えば、小学校区や中学校区といった
「エリア内」にできると、それは地域で生活していく上でのソーシャル
サポートにも結果的になるでしょう。
「用事があるときに、ちょっとだけ子どもを見ててもらえる知り合い」
「ストレスがたまったときの話し相手・飲み仲間」「困ったことや緊急事態が
あったときに頼れる知り合い」などなど。
(3.11のときに、懐中電灯の電池や食料を分けあったのは、
地域にいる「保育園/子ども」でつながったパパママ仲間でした。
※マンションの隣の人ではなかった。。。)

「地域」というだけではつながれない時代に、「生活する地域」で
つながりをつくっていくためには。
我々にとっても時間をかけて探求する(しがいのある)大きなテーマです。

(代表 呉哲煥

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