コラム「コミュニティの『愛着型フォロワーシップ』」

多くのコミュニティがそうであるように、
CRファクトリーへのスタッフの関わり方は実に多様です。
割ける時間、本業・学業・家庭、求めているもの(金銭ではない報酬)、などなど。

日々それぞれの関わり方でコミュニティ運営に力を発揮してくれていますが、
リーダーに対する「フォロワーシップ」という観点で考えると、
「コミュニティに関わっている理由」がポイントであるように思います。


たとえば「成長欲求」が理由であれば、新しいことへのチャレンジやステップアップに労を惜しまず力を発揮してくれます。
たとえば「理念への共感」が理由であれば、経営や戦略、団体の根幹の部分にもコミットしてくれるでしょう。
(皆さんの団体で、スタッフそれぞれが「何故関わっているか」を考えて共有する機会はありますか?)
今回のコラムで書きたいのは、「コミュニティへの愛着」を関わる理由とする、
そんなスタッフのフォロワーシップのことです。
改めての面談でも、ふとした会話の中でも、
「どうして関わっているの?(やり続けているの?)」
という問いが出てくることは珍しくありません。
その問いに対して、
「メンバーが良いからですかねぇ」
「呉さんや五井渕さんといると楽しいから!」
「ほっとけないからです」
なんて答えてくれるスタッフもいるわけですね。

仲間としては嬉しい反面、マネジメント側としては少しだけ、
「それでいいのかなあ」と頭に浮かぶこともあります。
成長欲求が高くないから、スキルが伸びていかないかも?
理念への共感からスタートしていないから、どこかで行き違ってしまうかも?
愛着が関わる理由となると、そんな疑問を抱くこともあるかもしれません。
しかし、個人的見解かつ経験則ですが、愛着型のスタッフは、
「化ける」可能性を秘めています。
このタイプがとても大きなフォロワーシップを発揮することがあるのです。
この仲間となら、どんなタスクでも楽しんでやれる。
自分の居場所であるコミュニティを、もっと強くするために力を尽くす。
苦境に陥って悩みを抱える時でも、この人となら一緒に前に進める。
そういう人材のパフォーマンスが組織にとって欠かせない力になり得ることを、
団体に愛着を感じて関わり続けてくれるスタッフの存在の大切さを、
幸いながらこれまで何度か実感してきています。
私自身も、実はそういう部分がかなり強い人間です。
「何をやるか」と同じように「誰とやるか」をとても大事にしています。
甘っちょろい、と思われることもあるとは承知ですが、
人間と人間が関わり合って成り立つのが組織だとすれば、
そんな正直な「人間味」を織り込むことも重要だと考えています。
いつでも「愛着」が関わる理由のひとつになり続ける、
そんな組織もステキだと思うのです。

(コンサルタント 五井渕 利明)

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