先日7月21日に「緊急事態宣言明けの「ミーティング」と「イベント」をどうするか?」というテーマでのワークショップ第2弾を開催しました。緊急事態は明けましたが、ここからいよいよどうやって活動していくのか、悩みや戸惑いも多いと思います。
前回のレポートはこちら
今回もNPO・市民活動・地域活動・サークル活動をやっている方々や、その支援をしている中間支援組織の方々まで、総勢17名の方が参加してくださいました。
ワークショップのセッションテーマは、
1.現状・悩み・課題
2.取り組み事例・ノウハウ
3.アイディア・チャレンジ
の3つ。これらを切り口にみなさんで情報を持ち寄り、情報交換をしながら「集合知」を創り上げ、それを全体共有してそれぞれに持ち帰るというワークショップ。今回もそれぞれの現場で起きている様々なことが知れてとても勉強になりました。
ここにそのときの「集合知」を共有したいと思います。ぜひ参考にしてください。
そして、今年はこの取り組みをしばらく続けたいと思います。
先行きが不透明で不確実な状況においては、各現場で起こっている事例やノウハウを集合知として分かち合うのがとても有効だと思うからです。みなさんもぜひ次から参加してください。
上記スライドのダウンロードはこちら
20200721_コミュニティマネジメントカフェまとめレポート.pdf
現状・悩み・課題
オンラインへの抵抗感・苦手意識
●どうしてもオンラインではだめだという人がいる。
●オンラインだったら参加しないという人がいる。
●オンラインへの拒絶感や格差があるので、対面だけにも、オンラインだけにもできない。
●高齢だとそもそもツールがない人も。「やったことがない」というハードルが高い人たちがいる。
●オンライン化できている団体と、そうはいかない団体と二極化している。
●町内会・自治会のような高齢化が進んでいると、オンライン化を提案しづらい。
認識差・温度差
●認識の差がある。「集まればいいんだよ」という人と、「集まるのはこわい」という人と。
●コロナに対してメンバー間の温度差がかなりある。年配の方は「オンラインはダメ。会わないと!」。組織としてどうするか。
●社会的距離を置きながらリアルで集まる場をつくりたいけれども、慎重な意見も多くて、認識の違いや正義感の違いが出てくる。
●リアルな場をやることについてのまわりの「応援」と「反発」が混在する。
活動継続への不安
●まちづくり活動のグループには「どう続ける?」「やめようか?」という声が出始めている。
●「活動を続けるかどうか?」という不安の声が出始めている。
●高齢の方が多く、活動休止になったいる団体も多い。
●地域で活動している団体さんは、徐々に休止しているところも多い。
イベントどうする?
●ボランティアのマッチングやイベントできていなくて困っている。
●ワークショップやお茶会ができない。
●対面式を始めていくとしたら何に気をつけていったらいいかのかわからない。
●シンポジウムのようなイベントはオンラインでもやれるけど、交流をつくるイベントはどうやってやればいいのだろう。
●交流イベントをオンラインでどうやってやるか。
ハイブリッド開催の大変さ
●ハイブリッド開催(来てもらっても良いし、オンラインでも良い)は、両方に気を使わなければならず苦労している。
●オンラインとリアルの両方をつないでミーティングをするといろいろ大変。
雑談が減っている・孤独感・疲労感
●オンラインだと雑談ができない。会議が盛り上がらない。
●オンライン独特の疲労感。(終わったあと、どっと疲れる)
●イベント終わった後の孤独感。余韻がない。
●イベントのメインは雑談だと思っているが、それがオンラインだと難しい。
●対面型だからこそ、先生との気持ちのやり取りができる。オンラインだとそれができない。
悩み・不満・気持ちがつかみづらい
●ちょっとしたつぶやき、愚痴から考えていることを読み取っていた。少しずつ合意がずれていっている感覚がある。
●オンラインだと余白がない。対面だとわざわざやらなくてもその場で気になる人に声を掛けたりできたがそれができない。
●悩みが言いづらい環境になっている。悩みや不満が見えなくてつかみづらくなっている。メンバーのサポートをどうしていくのか。
●Zoomだと決めていくことだけになってしまう。つぶやきを拾うのが難しい。
モチベーション・帰属意識
●与えられる仕事が限られるので、モチベーションが低下している。帰属意識も低下している。
●メンバーのモチベーションもなくなっていってしまう。
●組織作りができていない中で進めていかなければならない不安がある。
●どうしてもリモートは嫌という先輩方。置き去りにして良いのか。
取り組み事例・ノウハウ
遊びや楽しさからIT・オンラインに慣れる
●「Zoomで遊ぼう」という企画で、いきなりミーティングやイベントではなく、ハードルを下げるという発想。
●まずはオンラインで「一緒に落語を見ましょう」という会をやってオンラインに慣れてもらった。
●孫とオンラインで会えることをモチベーションにオンラインに慣れてもらう。
オンラインの体験づくり・慣れる
●体験をしてもらう場をつくる。
●とにかく接続するためだけの練習の場をつくる。5回もそういう場を設けた。
●「Zoom初めて講座」をメンバー向けにやって、それを受けてからいろいろなオンラインの場に参加してもらう。
●Zoomのホストになる講座を開催予定。
頻繁にオンラインで会ってつながりを保つ
●おうちでオフ会(オンライン)を月1回夜に開催している。
●朝会をやっている(チャットワークビデオを使っている)。今日の一言をみんなで言い合う。
リアルの工夫
●つながりを切らさないようにニューズレターをつくって郵送した。
●いつも集まってお茶菓子を食べている団体は、玄関先にお菓子を届けるという工夫をしていた。
●ビンゴカードを郵送して、Zoomでみんなでビンゴゲームをする。
遠方の講師を呼びやすい
●遠方の講師は交通費がかかるけれど、オンラインだと交通費がかからないので、より多く(回数多く)講師を呼びやすい。
●Zoomで大スクリーンで講師を投影して、リアル会場でみんなで見ている。
その他
●仕事をつくることでつながりをつくる。
●プロジェクトをつくることでつながりをつくる。
●ITツールも、信頼できる方からの教え・手ほどきであればやってくれる。会ってやる。電話ではあきらめちゃう。
●グループワークはJamboard(オンライン模造紙ツール)を活用した。
まとめ
これから長く続く「コロナ時代の市民活動・コミュニティ活動」をどのように進めていけばよいのか。
一人で考えないで、みんなで一緒に考える場をつくって、一緒に知恵を出し合っていければと思います。これからもご期待ください。